2024年米国、欧米にて政策金利の低下が見込まれております。金利が低下すると、債券価格の上昇するため、現状債券への投資はうまみがあると考える人もいると思います。
海外債券へ投資する手段として、債券ETFを購入することが簡単です。
しかし、2024年から開始された新NISAではAGG(米国総合債券ETF)はじめ多くの債券ETFがNISA枠の対象外となりました。なんでも、毎月分配金を出すETFは対象外とのこと。今まで非課税枠で購入していたものが、購入できなくなるので損した気分ですよね。
NISA枠で購入できなくなった今、海外債券に投資したい場合のその方法を考えてみました。
案①NISA枠外(特定口座など)で購入
NISA枠で購入する必要がない人は枠外での購入という方法があります。
例えば、年間NISA枠240万を他銘柄への投資で使い切ってしまった人です。
投資可能額が多い、中堅以上の投資家にはあてはまるかもしれません。
案②海外債券に連動するNISA対象の投資信託を購入する
海外債券に連動する投資信託にはNISA対象のものはあります。
AGG(米国総合債券)に投資していた人であれば
・Smart-i 先進国債券インデックス
といった先進国債券に投資するのもありだと思います。
以下は、AGGと投資信託の価格推移です。おおむね同じ動きをしていることが分かります。先進国債券の投資信託は米国債の占める割合が多く、価格の動向が似ています。
ちなみに体感ですが、米国債券対象の投資信託もありますが、選択としては微妙かなと個人的に思っております。理由は、体感ですがどれも信託報酬が高いと感じるためです。
あと忘れてはいけないのが、為替ヘッジです。
投資信託では「為替ヘッジあり」または「為替ヘッジなし」というものがあります。
為替ヘッジとは円安円高に振れたときにその影響を低減させる行為をいいます。
具体的には、為替ヘッジなしだと円安の場合は銘柄の変動に為替差益が上乗せされます。円高になった場合は逆に為替差損が上乗せされます。
為替ヘッジありだと、その銘柄の変動そのものが評価額となります。
為替ヘッジ有りとなし(どちらもSmart-i 先進国債券インデックス)をそれぞれ比べてみましょう。※
為替ヘッジありの場合が、銘柄そのものの評価額推移です。22年以降、金利の上昇に伴い債券そのものの評価額は低下しています。一方、為替ヘッジなしの信託の価格は、円安に伴い為替差益が発生しているため、22年以降も価格が上昇しています。
この場合のように円安がつづくと見込まれる場合は為替ヘッジなしを選択する、逆に円高になるといこまれる場合は為替ヘッジ有りを選択するとよいと考えられます。
ふまえて
NISA枠で海外債券に投資したい場合、投資信託を選択する手段があります。また今後は金利上昇に伴い、円高になると予想されますので、為替ヘッジ有りのものを購入すれば為替差損を食らわなくてすむかもしれませんね。